2,止まらぬ円安、日本に打つ手なく
3,米国の労働市場は変曲点に近づいている
コアCPI2.1%上昇、予想上回る
全国の物価の先行指標となる6月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前月から伸びが拡大した。日本銀行が目標とする2%台を3カ月ぶりに回復したが、追加利上げに向けてはなお見極めが必要との見方が出ている。
総務省の28日の発表によると、コアCPIは前年同月比2.1%上昇した。市場予想は2.0%上昇だった。エネルギーは7.5%上昇。政府による電気・ガス価格激変緩和対策事業の補助額が半分程度になったことが影響した。生鮮食品を除く食料は3.0%上昇と、11カ月連続でプラス幅が縮小した。
みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介主席エコノミストは、日銀が注視するサービス価格などを見る限り、利上げをサポートする材料としては乏しいとの見方を示した。その上で、日銀としては「もう少しデータを見たいだろう」と語った。
ブルームバーグの最新のエコノミスト調査によると、43人のエコノミストのうち33%が7月会合での利上げを予想。一方、44%は国債減額計画の決定によって7月の利上げの可能性は低下したとの見方を示した。生鮮食品とエネルギーを除くコアコアCPIは1.8%上昇と、前月の1.7%上昇から伸びが拡大した。市場予想は1.7%上昇だった。
物価上昇が止まらなくなってから利上げしても遅いんじゃない??
利上げのタイミングは難しいわね。日本経済は長年に渡りデフレの影響で物価も上がらなかった分、所得も上がらなかったわ。今春の賃金上昇率が物価上昇率よりも高いことが、経済成長のカギとなるわね。やはり利上げは慎重になるわね。
円相場は対ドルで一時0.7%安の1ドル=160円87銭まで下落
円相場が相次ぎ節目の水準を割り込む中で、日本当局に厳しい現実が立ちはだかっている。米金融当局が「より長くより高く」の政策スタンスを緩めない限り、円安に歯止めがかかることはないというものだ。そして、日本当局にこれを制御するすべはない。米金利の高止まりがドルを押し上げ、ドル高が世界に与える影響を投資家が分析する中で、これは世界的な共通認識だ。1日当たり7兆5000億ドル(約1200兆円)規模の外国為替市場において、ブレーキのかからない円安進行は米国の金融支配を極端に体現した姿とも言える。
4月に日本当局が介入に踏み切った円安・ドル高水準をあっさり抜けた。神田真人財務官は円相場が約38年ぶりの安値を記録したことを受け、「最近の為替の動きは一方向」と述べるとともに、「行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取る」と為替介入も辞さない姿勢を示した。
問題なのは、円下支えに向けた日本当局者の努力がこれまで空振りに終わっていることだ。9兆8000億円規模の円買い介入後の数週間で、円は上げを失った。再び介入しても効果は薄いだろうと、ストラテジストは指摘している。BNYメロンの市場戦略・インサイツ責任者、ボブ・サベージ氏は「米金融当局が実際に緩和を実施するまで、こうした日本の取り組みが効果を発揮するとは思えない」と指摘。「大局的には、日本でのドル需要を低下させなくてはならない。日本の長期金利が十分に高くなるか、あるいは米金利が十分に低くなる必要がある。どちらも起こっていない」と述べた。
円安が止まらないのを分かってて為替介入をするのかな??
神田財務官がしきりに「行き過ぎた動きに対しては必要な対応を取る」とどれだけ言っても、米金利が低下するか、日本の長期金利が高くなるか。どちらかが起こるまでは円安はしばらく止まらないわね。
失業率の上昇を意味すると警鐘。リスクはインフレだけではない
米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、米国の労働市場は変曲点に近づいているとの見方を示し、さらなる減速は失業率の上昇を意味すると警鐘を鳴らした。インフレ率を目標の2%に戻すためには、需要の抑制が必要になるだろうと指摘。そうなれば、良好ながらも、もはや過熱気味ではない労働市場にストレスがかかるとの見方を示した。
総裁は「労働市場の調整は今のところ緩やかで、失業率は小幅にしか上昇していない。しかし、このような穏やかな展開になる可能性が低下する時点に近づいている」と述べた。発言は24日にサンフランシスコで行う講演原稿に基づく。その上で「今後労働市場が減速すれば、企業は求人のみならず実際に雇用を調整する必要が出てくるため、失業率の上昇につながる可能性がある」と指摘。「現時点で、われわれが直面するリスクはインフレだけではない」と述べた。
さらに今後の経済動向について常にさまざまなシナリオを警戒するとともに、可能性を排除しないよう金融当局者に促し、「適切であるためには、政策は条件付きでなければならない」と述べた。
例えば、インフレ抑制のペースが予想よりも鈍い場合には、高金利を長く維持することが適切だと指摘。一方で、インフレが急激に鈍化したり、労働市場が予想以上に冷え込んだりすれば、利下げが必要になるだろうと述べた。
米国の高金利政策が長く続くことで弊害が出てくるの??
米国のインフレは横ばいで推移しているので金利政策は順調に進んでいると言えるが、失業率が少しずつ上昇してきていることに警戒が必要だと思うわ。失業率が4%を超えてきた今、利下げに踏み切るポイントか見極める局面かもね。
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